2016年、新人歓迎会。「考え、想い、創造する」
大阪大学大学院医学系研究科
情報統合医学皮膚科学
教授 片山一朗
今年も、新しく皮膚科学を生涯の職業とされる先生方を迎える季節となりました。2004年にスーパーローテートシステムが導入され、来年からは先行きは不透明ですが、後期研修医制度の開始にともなう研修プログラム作成が基盤18学会で進行しています。今年は7名の方が大阪大学皮膚科と、その関連施設で研修を開始されることになっており、4月6日、歓迎会を銀杏会館で開きました。教室、関連施設に、新しい活力をもたらして頂けるかと期待しています。
先に述べた最近の大きなニュースとして人工知能(Artificial intelligence)が絶対勝てないと考えられてきたプロの棋士を敗ったという記事がありました。クローン人間、宇宙エレベーター、ロボットなど次々とSFの世界が現実化しつつあり、その中で日本では手塚治虫、星新一、海外ではフランス、ナント市で生まれたジュール・ベルヌが彼の作品の中で予測した事の多くが実現しています。特にベルヌは「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という有名な言葉を残し、世界中の少年少女に夢と希望を与えました。同様に、元大阪大学総長の山村雄一先生が残された、「-夢みて行い,考えて祈る-」は多くの若い医学者に研究する事の厳しさと、面白さを伝えています。
今年、新たに皮膚科医の道を選ばれた先生は、大きく制度の変わる時期の中での選択でもあり、時代の流れを肌で感じ、皮膚科医として生涯をかけられる病態、疾患を見つけ、楽しい皮膚医生活を送って欲しいと心から思います。難治性の皮膚疾患はまだまだ多く残されており、立体画像の送信などの進歩が予想される人工知能医に負けない、人にしかできない技量を持つ皮膚科医として、臨床であれ、研究であれ、考え、想い、そして何かを創り出して頂く事を願って、歓迎の言葉とします。
新人と大学スタッフ 2016.4.6