教室関係コラム

2016.04.04

第1回東アジア白斑会議East Asia Vitiligo Society, EAVA

The 7th Annual Meeting of Korean Society of Vitiligo
The 1st Meeting of East Asia Vitiligo Association
Venue: Severance Hospital YUHS, Seoul
President: Seung Chul Lee  
Prof. & Chairman Department of Dermatology
Chonnam National University,Gwangju, Korea

大阪大学大学院医学系研究科
情報統合医学皮膚科学
教授 片山一朗

第1回東アジア白斑会議 (East Asia Vitiligo Society, EAVA)が全南大学皮膚科の李承哲教授を会頭としてソウル市で開催され、大阪大学からは片山および壽、楊怜悧、楊飛先生が参加した。

全南大学Lee教授のOpening remarks

私は招待され、「Breakdown of skin homeostasis in the pathogenesis of autoimmune vitiligo」というタイトルで講演した。今、我々が検討している、自然免疫系のNALP1遺伝子の多型による自己免疫性の白斑の発症機序に関し、IL17Aを介するPro inflammatory cytokineの関与、樹状細胞の活性化、そしてロドデノール白斑患者で見られるAutophagyの機能異常の関連性を講演した。
同行した3人の先生方の仕事を現時点で纏めたが、さらに発展した形で論文にできればと考えている。日本からはコロラド大学のSpritz教授のラボに留学され、自己免疫性白斑とClass 1, Class 2 遺伝子のSNP解析で自然免疫系と白斑の発症リスクに関する素晴らしい研究をされた山形大学の林昌浩先生、鈴木民夫教授、そして開業の立場ながら白斑治療に命をかけておられる大阪市の芝田孝一先生が参加されていた。この会は2014年に済州島で開催された第3回東アジア皮膚科学会時に、今回の会頭の全南大学皮膚科教授の李先生、釜山の東亜大学皮膚科教授の金先生などから韓国、日本、台湾、中国の4カ国で東アジア白斑会議を設立しようとの提案があり、第一回のKickoff meetingの開催に至った。アジアからは台湾高雄大学の藍教授、上海復旦大学の Leihong Flora Xiang教授が招待講演を、またソウルで開業されている韓先生、東国大学の李教授が講演された。また合わせて第7回韓国白斑学会が開催された。韓国では白斑学会の会員は200名以上おられるとのことで、特に光線療法の中でエキシマレーザーが盛んとのことであった。一般演題はなく、教育講演が主体で、先ずこの一年間の基礎、臨床のトピックスをそれぞれ一名の先生が国際誌から取り上げ、丁寧に解説された。白斑研究の進歩を短時間で理解することができ、日本でも是非取り入れたい企画プログラムである。それ以外の6つの教育講演は全て、臨床が主体の講演であり、白斑診療に力を入れている韓国の開業の先生からの質問があいつでいた。日本で近年、施行件数が増えているエキシマライトは韓国では保険がエキシマレーザーのみ認可されており、その器機管理や高額な値段が日本では受け入れにくいようで、台湾では、エキシマランプ治療が国立大学しか認められておらず、また施行回数が10回までと決められており、各国での事情があり、またConsensusを得る必要があると感じた。

ソウルで開業されている前々韓国白斑学会会長の韓先生の挨拶
手前は前会長の東国大学の李教授

いづれにせよ、白斑の研究、臨床、美容ともに東アジ諸国の韓国、台湾、中国は大変Activeで若い医師の参加も多く、日本でも活発な活動を展開していく必要性を感じた。次回の第2回大会は2018年に私が会頭を務めることになり、大阪で開催する予定である。今後EAVAのHPが立ちあがるまでは、日本色素細胞学会のHPに最新情報をアップさせて頂く予定である。

設立メンバーの先生方と

平成28年4月掲載

  • 社団法人日本皮膚科学会
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