教室関係コラム

2016.07.03

私の一冊 立花隆「宇宙からの帰還」

私の一冊
立花隆「宇宙からの帰還」
日本医事新報 2016.No 4806 pp77

大阪大学大学院医学系研究科
情報統合医学皮膚科学
教授 片山一朗

 日本医事新報社から依頼されたリレーエッセイ、私の一冊が上梓されたのでアップさせて頂く。近年あらたなゲノム編集の技術が進み、植物などの品種改良がより簡単に行えるようになり、さらに食用魚や家畜にまでその技術が応用され、中国などではヒトでの遺伝子改変研究が進められていると聞く。このように人がますます神の領域に近づいて行く中、昨年8月、日本遺伝子細胞治療学会 (JSGCT)理事長金田安史先生が人の細胞のゲノム編集に強い反対の姿勢を表明された(引用)。今後このゲノム編集技術やiPS細胞研究さらに、クレイグ・ベンダーの人工細菌の作成技術、全ゲノム解析による疾患発症リスク予測の普及が進めば、近未来には病気の治療そのものの考え方が180度転換するかもしれない。近未来と書いたが、実際は既に、もう新たな治療が始まっていると考える方が普通なのかもしれない。

平成28年7月掲載
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