教室関係コラム

2004.03.01

就任のご挨拶

就任のご挨拶

大阪大学大学院医学系研究科分子病態医学
皮膚科教授 片山一朗

 私は平成16年3月1日付けにて吉川邦彦名誉教授の後任として、伝統ある大阪大学医学部皮膚科学講座を担当させて頂くことになりました。
 私は北海道大学を昭和52年に卒業後、皮膚免疫学を学びたく、佐野栄春教授の主宰されておられた大阪大学皮膚科学教室に入局させて頂きました。大学院では西岡清東京医科歯科大学名誉教授(現横浜赤十字病院院長)のご指導でアレルギー性接触皮膚炎の制御に関する基礎研究を開始し、現在も私の大きなテーマとして継続して研究に取り組んでおります。昭和60年より国立大阪病院膠原病科、北里大学、東京医科歯科大学にて臨床、研究に携わらせて頂き、平成8年からは長崎大学の教授として赴任し、アトピー性皮膚炎と膠原病患者の治療を継続して行うとともに、長崎で多くの患者さんの存在する成人T細胞白血病、皮膚悪性腫瘍、光線過敏症の治療、病態研究も開始し、現在にいたっております。大阪大学の皮膚科学教室には昭和61年迄在籍させて頂きました。当時福島にあった医学部と付属病院は今千里の丘に移転いたしましたが、大阪大学皮膚科に戻り、あらためてその歴史と伝統を噛みしめております。
  大阪は18年振りですが、この間外から大阪大学の皮膚科の発展を見て参りました。吉川教授の指導の下,分子生物学、再生医学と大阪大学の皮膚科は正に日本の皮膚科学をリードして来ました。このような優れた基礎研究をさらに推進してくれる人材を育成し、その成果を臨床にそして患者さんにフィードバックさせて行くのが私に課せられた大きな使命と考えております。
 21世紀も4年目に入り、日本の医学そして大学は大きく変貌を遂げようとしております。卒後研修制度や大学の独立行政法人化は特に皮膚科に取って大きな試練ですが、逆に全身管理を勉強する機会も増え、収入を上げる武器も手に入れることが可能となり、皮膚科がさらに発展できる大きなチャンスでもあります。若い先生方には是非大きな夢を持ってOnly oneの皮膚科医を目指し、一年でも上の先生は責任を持って後輩の指導をして頂きたいと思います。このような考え方に立ち教室員共々大阪発の皮膚科学を世界に発して行きたいと考えておりますがそのためにも大学、関連病院の連携はもとより、同窓会諸先生方のご協力は必要不可欠であり、是非ご指導、御鞭撻のほど改めてお願いする次第です。

2004年

  • 社団法人日本皮膚科学会
  • 日本皮膚科学会中部支部
  • 日本皮膚科学会大阪地方会