第26回日本アレルギー学会春季臨床大会
会長:眞弓光文福井大学長 会期:2014.5.9-11
会場:国立京都国際会議場
テーマ:
「アレルギー克服への新たな挑戦
~研究と診療のReciprocal Interaction~」
大阪大学大学院医学系研究科
情報統合医学皮膚科学
教授 片山一朗
今年から日本アレルギー学会が年一回の開催となり、5000名を越す多くの参加者があったそうである。大阪大学からは4題の発表があり、内2題はミニシンポジウムに採択された。発表された西岡、田原、小野、越智先生御苦労様でした。どの演題も注目されたようで私にも、発表後結構意見を頂いた。
室田先生は東アジア・アレルギーシンポジウムの企画を担当され、先生が推薦された大阪大学基盤研の川端先生のiPS細胞からの肥満細胞の誘導はFLK1とCARの発現パターンでHematopoietic cell と心筋細胞への2方向性の分化がみられることをきれいに示され、さらに用いる増殖因子(IL3.IL4)/SCF,IL6により粘膜型と結合織型肥満細胞に誘導出来ることを示され、今後の臨床応用が期待できるかと思う。ただ最終的な培養系がメチルセルロース法でのコロニー形成法であり、細胞の回収法など工夫が必要と考える。今回も総合アレルギー医育成へ向けた教育プログラムが多く組まれており、会員の関心の深さが見られた。特に毎年秋に開催されていた秋季大会は今年からは総合アレルギー医育成のための教育プログラムを中心とする講習会になる予定で、太田健副会長を中心に今プログラムが作成中である。また舌下免疫療法の教育プログラムも受講希望者が多く、今後鼻学会と連携して講習会が開催されるそうである。この講習会の受講証明がないとe-learning受けられず処方も出来ないそうで、今後ダニの舌下免疫療法など皮膚科医も知識を得ておく必要がある。2017年から開始される専門医認定機構による専門医認定は基盤18学会+総合診療科と平行して、アレルギー学会などSubspeciality学会の専門医制度改革も進められており、長期計画委員会、専門医制度委員会などの合同委員会でカリキュラム、研修プログラム、研修施設の認定基準などが論議されている.しかし皮膚科学会でも論議が継続されているが、国の長期的な方針が見えずらく、実際の研修プログラムが固定されるのに、もう少し時間がかかりそうである。このような専門医改革と平行して学会事務局主導の大会運営、学術委員会の委員による査読での優秀な一般演題の選定や、学術委員会と大会長の合議制による学会プログラムの作成などあらたな学会の運営改革も進行している。
会期中少し時間がとれ、叡山鉄道を利用して新緑の鞍馬山に登り、鞍馬寺、貴船神社を参拝し、心身ともリフレッシュさせて頂いた。
大阪大学大学院情報統合医学皮膚科 片山一朗
平成26年5月13日掲載