教室関係コラム

2013.08.27

総合診療医ドクターG出演

「総合診療医 ドクターG」出演にあたり

大阪大学医学部附属病院初期臨床研修医
山本 笑

 春より阪大病院での研修生活をスタートさせ、新しい環境にまだ慣れず毎日オロオロしていた4月中頃のある日。そんな私の面倒をとてもよく見てくださる一人の先輩が、いつもの「お昼食べに行かへん?」というのと同じ調子で「山本さんテレビ出てみいへん?」とおっしゃいました。状況が掴めずポカンとしつつも続きを聞いてみると、先輩の知り合いの方が『総合診療医ドクターG』に出演する声の大きい元気な研修2年目の女医を探していて、「丁度いいのがいます」と言ってきたとのこと。『総合診療医ドクターG』とは、著名な総合診療医の先生(ジェネラリスト)を中心として、ゲストの方々と研修医がカンファレンスを行いながら病名を当てるというNHKの人気番組です。急なことで混乱し答えに渋っていると、「こんなチャンス滅多にないことやし良い経験になるで!」と言われ、お調子者の私は訳も分からず生まれて初めてのテレビ出演を決めました。
 撮影当日。不安いっぱいで一人東京に向かった私は、案の定集合場所を間違い一人遅刻するという失態を早速しでかしてしまいましたが、一緒に出演する他の2人の研修医にも何とか合流することができ、自己紹介をしているといよいよ収録時間に…。スタジオに入ると、テレビでよく見ていたあのセットが!出演者の皆様が!!しかも今回のジェネラリストの先生は、感染症で超有名な青木先生!!!あわあわしてるうちにもうカメラが回り始めていました。症例の再現VTRを見ている所、メモをとっている所、疾患を絞り切れず困り果てている所まで、当たり前なのですが常にカメラがこちらを向いており、また不意に意見を求められたりもするため一瞬たりとも気が抜けませんでした。しかし、感染症の大家である青木先生、優秀な研修医の他の2人、そして普段のカンファレンスには絶対参加していない医療関係者以外の出演者の方々という、今まで経験したことのない構成員でのカンファレンスは様々な意見が飛び交い新しい発見ばかりで、1症例に対し4時間というとても長いカンファレンスではあったのですが、あっという間でした。
 今回ひょんなことから人気番組に出演させてもらうことになり、とても貴重な経験をさせて頂きました。診断や治療方針について難渋し一人で頭を抱え込むのではなく、カンファレンス等にて様々な人と考えることによって、一人では生み出すことの出来ないものが生まれるということを改めて認識することができました。この経験を今後に活かしていこうと思います。

平成25(2013)年8月27日掲載

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