同門会ご挨拶
皮膚科教授 片山一朗
大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学
皮膚科 教授 片山一朗
7月に入り、梅雨明け宣言と同時に大阪も猛暑の日が続いています。首相官邸前の原発再稼働抗議デモ、TPP参加による日本の医療の産業化問題、オスプレイの導入、尖閣列島の国有化、大阪都構想など暑い季節がよりヒートアップしそうですが、世界の中での日本の在り方を国民全体で議論できる良いチャンスかと考えます。
皮膚科学も新臨床研修制度が開始されて8年が経過し、都市部と非都市部の格差と地域による診療格差がより顕在化してきています。日本皮膚科学会では将来の皮膚科を担う女性医師問題の解決策として塩原教授のご尽力によるメンター・メンティによる相談制度が稼働し始めました。また大学間の壁を越えた医師の交流による医療格差の是正に関する取り組みも各地で始まっているようです。
皮膚科学は今、新たな治療薬や機器が導入され「診断の時代」から「治療の時代」へ移行しつつあります。その中で皮膚を介して全身を診て、治療することのできる皮膚科医のニーズはますます。大きくなることが予想されます。
このようなダイナミックな変化の中、今年は新入医局員の紹介欄にあるように阿部、井上、岡田、小野、加藤、神谷、須磨、竹原、中山、山田の10人の新しい先生を大阪大学皮膚科学教室に迎えることとなりました。また9月から福山、10月から関先生が同門会に加わられます。皆さん出身大学、世代はそれぞれ異なりますが、モチベーションの高い先生ばかりであり、大阪大学皮膚科教室の一員として、大いに発展されることを期待しております。
医局の動きとしては4月から種村篤先生が医局長に就任し、忙しい中、関連病院の責任者と話し合いを持たれ、若い先生をどう教育するか、同門会との有機的な連携をどう進めるかを懸命に考えて頂いております。その中で今年より、若手皮膚科医に対する集中クルズス(2〜3ヶ月に一回、関連病院部長、大阪大学教官)を開始しました。昨今全国の大学では実用的な皮膚科学、あるいは皮膚科学の伝統的な診断、治療などの講義が減少しているようで、大阪大学皮膚科の一員となられた先生に同門意識を持って貰うことも目的の一つとして、このような集まりを企画した次第です。今後開業の先生にも是非講義していただく機会を作って行きたいと考えておりますのでご協力お願いいたします。また大阪大学皮膚科ホームページも大きく改変いたしました。当初、クラウドを用いた医局員内での運用を考えていたのですが、若い先生から、ホームページも充実させ、大阪大学皮膚科の情報を全国に発信させることが重要との意見を頂き、西田さんに無理をお願いして、現在の形式を作って頂きました(現在英語版も作成中)。ご意見などありましたら、随時改変し、よりよいものにしていきたいと考えております。
今年は24回日本アレルギー学会春季大会を室田浩之事務局長を中心とした教室の先生のご尽力で大成功のうちに終えることができました。来年は皮膚脈管・膠原病研究会、日本色素細胞学会、日本研究皮膚科学会などを担当することになっております。同門の先生にもまたご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
最後になりましたが、私も新臨床研修制度が開始された2004年に大阪大学に着任し、はや還暦を迎える歳になりました。初心に帰り、また若い先生共々大阪大学の発展に尽力していきたいと考えております。
平成24年7月23日